イメージTENとは

 

災害時に自主防災組織がどのように対応したらよいかを考えるイメージトレーニングです。

 

  イメージTENの名前の由来は、以下の頭文字をとったもので「近隣のための仮想訓練」という意味ですが、自主防災組織の災害対応力や組織力の向上を図るための図上訓練のことです。 

  また、付与される課題が10個(ten)用意されているという意味も含まれています。

   Image    (想像)

 Training (訓練)

   xercise (演習)

 Neighborhood(隣近所)

 

 

○イメージTENの効果とは

・ 自主防災組織とはどういうものかが理解できます。

 

・ 災害の発生前~発生後までの主防災組織の役割がわかっ

  きます。

 

・ 具体的で実践的な防災対策や災害対応が理解できます。

 

・ 自主防災組織に必要な人材や不足している資機材がわかっ

  てきます。


イメージTENの構成

イメージTENは、7~10人で一つのグループを作り、これを自主防災組織の本部と仮定し、与えられた課題を次々と解決していく、グループワークです。

○ イメージTENのスケジュール(例)

 

 10分  ゲームの紹介

 

  5分  参加者の自己紹介

 

 15分  ゲームの進めかたの説明

 

 60分~ ゲームの実践

 

 30分~ 振り返り・まとめ


イメージTENの流れ

 舞台となるのは、地域Aと呼ばれる架空の街です。

地域Aの中心には小学校があり、それを取り囲むように、スーパーやコンビニ、ホテルや病院、郊外には畑や工場などがある、どこにでもあるような街です。

 イメージTENは架空の地域Aを使用せずに、自分たちの住む実在の地域を使用することもできます。実在の地域を使用すれば、より現実的で具体的なものとすることができますが、地図等の準備をする必要がありますので、準備時間がない場合や、居住地域が別々の参加者で行う場合、イメージTENとはどんなものかを体験したい場合には、架空地域を使用したほうが簡単です。

 これから地域Aにはさまざまな課題が与えられます。あなたは、自主防災組織の役員として、仲間の役員とともに、保有している資機材を駆使して、地域Aの安心と安全を守っていきます。

これが、架空の街となる地域Aです。縦700メートル横500メートルの比較的小さな町です。

 この地図は静岡県地震防災センターのホームページからダウンロードできます。



 あなたは地域Aに住んでいる、自主防災組織の役員です。あなたと同じグループにいる方たちも、あなたと同じ自主防災組織の役員です。その他にも、地域Aの自主防災組織には何人かの仲間がいます。

 自主防災組織の役員については、標準的な自主防災組織の構成を基に別表のように作られています。ゲームを始める前に、グループで会長や副会長などの役割を決めます。

 役員についても地図と同様に、別表を使用せずに実在の自主防災組織の役員をそのまま使用して行うこともできます。 

 別表の構成は、会長から防災委員5までの執行部10人と、情報班や消火班、生活班など7つの班があり、10人~20人程度の班員により構成されています。課題ごとに、どんな任務があるかを協議し、どんな班員を何人で対応させるかを決定して、人の出入りを管理します。



 地域Aの中心付近には、自主防災会の設置した防災倉庫があります。倉庫の中にはさまざまな資機材が備蓄されており、その内容は別表のとおりとなっています。

 ゲームの前にどんな資機材を保有しているのか確認しておきます。基本的にはこれらの資機材以外の物は使用することはできません。

 資機材についても地図と同様に、別表を使用せずに実在の自主防災組織の保有している資機材を使用して行うこともできます。その場合は、事前に地域の防災倉庫の中に保管されている資機材を確認して表にしておく必要があります。

 別表には、さまざまな資機材と保有数が書かれています。各課題ごとにどんな資機材が必要なのかを決定し、何をどのくらい使用したのか、資機材の出し入れの管理をします。



 地域Aに大きな災害が発生しました。

 時間の経過とともに地域Aにはさまざまな事が課題として起こります。

 その課題を分析し、①どんな対応策をとり、②どんな人(役割)により、③どんな資機材を使用するのかをまとめます。

 課題は10個用意されていますが、自分たちの街に起こりそうな事態を想定して個別に考えてもOKです。

 課題はカードで出されます。

 災害発生からの時間の経過や、被害状況の他、対応策を考えるために必要なヒントも書かれています。

 



 

 ゲームの最後には、振り返りとしてグループごとに各課題の対応を発表し、意見交換を行います。

 イメージTENでは、災害に対する様々な考えかが反映され、同じ課題にたいしてさまざまな対応策が出てくるのが特徴です。自分達では考えつかなかった対応が発表されたときには、新たな気づきが生まれることもあり、それがイメージTENの醍醐味となります。

 イメージTENについて、詳しくお知りになりたい方、地図や別表、課題カードなどをダウンロードしたい方は、静岡県地震防災センターのホームページをご覧ください。

静岡県地震防災センターへのリンク



イメージTENを体験してみませんか

イメージTENをやってみたい方、静岡県地震防災センターでは定期的にイメージTENの体験講座を開催しています。詳しくは、静岡県地震防災センターのホームページでご確認ください。⇒静岡県地震防災センターへのリンク

 静岡県ふじのくに防災士会では、地域や職場・学校などでイメージTENを実施してみたい方のために、ふじのくに防災士による出張講習等も行っています。お気軽にお問合せください。⇒ふじのくに防災士会お問合せフォーム

 「ふじのくに防災士会」の活動については、新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止しておりましたが、HUGやイメージTENなどの図上訓練における集合型研修や、ふじのくに防災士の派遣による講習等を今後の感染拡大状況等を注視しながら、令和4年10月より徐々に再開していくことといたしました